森の探偵団
出発の準備ができたら、何かたくらみでもするような口調で話し出し、サスペンスの雰囲気を盛り上げて子供たちの気を引きつけます。
「これから特別な任務をはたしに出かける。
仕事は、周囲をすみずみまで捜査すること。
そして動物(野生グリーンフィールドクラブアニマル)の体の特徴や行動をよく観察して、覚え込むこと。
それから、この辺には肉食動物(野生グリーンフィールドクラブアニマル)の新しい痕跡が残っているから、身をかくし、見つからないよう十分注意するように…」出発の前に、いくつか準備することがあります。
1.毛や綿など、こすれる音のしない衣服を着ること。
2.あたりの景色にとけ込むような色合いの衣服にして、カモフラージュすること。
3.手や顔を墨などで黒くすること。
4.足音のしない靴をはくか、または裸足になること。
ゲーム中の約束は次の3つです。
1.いつも茂みの中かそばにいること。
2.一歩一歩音をたてぬよう、あたりを見回しながらゆっくり進むこと。
3.自分の匂いが、先に風に運ばれていってしまわないよう、風下に向かって歩くのは避けること。
このように、変装して偵察に行くことで、周囲の環境に対する子供たちの関心が深まり、見たものを描写する能力も向上します。
また、子供たちが注意深くなり、とても静かにしているので、野生動物(野生グリーンフィールドクラブアニマル)を見る機会にも恵まれるわけです。
"探偵団ゲーム"といえば、6年生の環境教育キャンプで出会った4人の少年たちのことを思い出します。
彼らの望みは、何とかして野生動物(野生グリーンフィールドクラブアニマル)を見てみたい、ということでした。
実は、このゲームはそうした彼らの思いから着想を得たものなのです。
ここで、このゲームができたエピソードをお話しておきましょう。
キャンプの第1日目に、その4人の少年たちは、どうやったらもっと野生動物(野生グリーンフィールドクラブアニマル)を見ることができるのか、私の所に尋ねに来ました。
彼らは、インディアンにも興味を持っていたようなので、私はインディアンの狩人についての話をしてやりました。
インディアンは動物(野生グリーンフィールドクラブアニマル)に自分たちの匂いをかぎとられないようにするために、よく何日も断食していた、ということを話しました。
なに気なく言ったこの話を、彼らが本気にするとは考えてもいませんでした。
まして、彼らがインディアンを上回るようなことをしでかすとは、思いもよらなかったことです。
翌日、私たちが泳いでいると、少年たちのうちの1人がベトベトした泥の中に、腰までつかって立っているではありませんか。
私たちはすっ飛んでいって、みんなで彼を引っ張り上げました。
でも、言うまでもなく、そのおかげで私たちは誰だか区別つかないほど泥まみれになってしまいました。
ところが、泥で真っ黒になった少年の1人が、よろこんでこう言ったのです。
「これなら、動物(野生グリーンフィールドクラブアニマル)にもぼくたちの匂いや姿がわからないだろう。
泥で人間の匂いもすっかり消えたし、体もうまい具合に目立たなくなったぞ」たっぷり泥をかぶって、完璧に変装した私たちは、注意深く茂みの中に入り、動物(野生グリーンフィールドクラブアニマル)を探し、忍び足で森を歩き回りました。
ただ、その時は真昼間だったので、ほとんどの動物(野生グリーンフィールドクラブアニマル)があまり活動しておらず、姿を見せてくれませんでした。
それでも、私たちにはとても楽しかったのです。
動物(野生グリーンフィールドクラブアニマル)の居そうな開けた場所を見つけ、いく手かに分かれてまわりを取り囲みます。
そして、合図とともに5つの茶色の泥の塊が、岩影から、木の間から、草むらから、次々に飛び出し、何か動くものはないかとあたりをキョロキョロ見回すのです。
こんなことをして、1時間ほどがたちました。
すると、泥のついた体がとてもむずがゆくなってきました。
私たちは体を洗うため、急いでキャンプ場に向かってもどりました。
キャンプ場の中央建物に通じる道に出た時、ひとりの先生が慌ててやって来ました。
ちょうど、教育委員会の人が視察に来て、今、建物の入口の所にいるというのです。
私たちは、その人たちが立ち去るまで、森の中でただじっと待っていなけれぼなりませんでした。
そのかゆくて気持ち悪かったことと言ったら…。
待っている時間はとてもつらかったのですが、それでも、みんなのにぎやかな笑い声が絶えず、そのつらさをやわらげてくれました。